星瞬きし宇宙の海で 第一話 Gパート [星瞬きし宇宙の海で]
「艦長代理、どうかしました? さっきからなにか落ち着かない感じですけど」
琴希によると、入港する頃から、急に虚空を睨みつけたりキョロキョロしてみたりとらしくない行動をしていたらしい。
「ごめん、なんかちょっと嫌な予感がね……」
「え? 大丈夫なんですか、それ?」
「分かんない」
嫌な予感はするものの、どうにもその正体までは分からない。
「アリス、状況は?」
「新人の乗艦は完了。現在はトゥエルの積み込み作業中」
「切り上げられる?」
宇宙軍の汎用人型機動兵器トゥエル、確かに重要な積荷ではあるが、最悪、乗員が揃ったのであれば、残りのスケジュールに支障が出ても、今、動ける状態を作った方がいいレベルの予感ではあったのだが。
「するのは構わない、でも、これタイプS」
タイプSは、主機を交換し特殊な制御システムを組み込んだ第7艦隊仕様。保管用の機体なら問答無用で切り上げさせるが、何が起こるか分からないこの状況でそれをしてしまうと、それはそれで裏目に出かねない。
「そうか……、そうだった。急いでもらって」
「了解」
待たなければならないなら、他のことで時間を短縮するしかない。美咲は、艦長席から降り
「琴希、先にやってしまおう」
「わかりました」
琴希はもともと用意はしていたようで、すぐに立ち上がると、二人でブリッジを後にした。
つづく。
琴希によると、入港する頃から、急に虚空を睨みつけたりキョロキョロしてみたりとらしくない行動をしていたらしい。
「ごめん、なんかちょっと嫌な予感がね……」
「え? 大丈夫なんですか、それ?」
「分かんない」
嫌な予感はするものの、どうにもその正体までは分からない。
「アリス、状況は?」
「新人の乗艦は完了。現在はトゥエルの積み込み作業中」
「切り上げられる?」
宇宙軍の汎用人型機動兵器トゥエル、確かに重要な積荷ではあるが、最悪、乗員が揃ったのであれば、残りのスケジュールに支障が出ても、今、動ける状態を作った方がいいレベルの予感ではあったのだが。
「するのは構わない、でも、これタイプS」
タイプSは、主機を交換し特殊な制御システムを組み込んだ第7艦隊仕様。保管用の機体なら問答無用で切り上げさせるが、何が起こるか分からないこの状況でそれをしてしまうと、それはそれで裏目に出かねない。
「そうか……、そうだった。急いでもらって」
「了解」
待たなければならないなら、他のことで時間を短縮するしかない。美咲は、艦長席から降り
「琴希、先にやってしまおう」
「わかりました」
琴希はもともと用意はしていたようで、すぐに立ち上がると、二人でブリッジを後にした。
つづく。
2017-12-29 21:00
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