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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Bパート [星瞬きし宇宙の海で]

 書類には一人の少女が載っていた。学園の実習ということは、場合によっては100人を超える人間がそこにはいるのだろうが、要はこの少女がターゲットであとはどうでもいいのだろう。二人は、書類に目を通していく。だが、フィールラインはまず最初に見る名前からしていきなり引っかかった。
「霧原結河(ゆいか)、霧原……」
「お前の思っている通りだ。本来なら、もっと上の人間のを狙うべきなんだろうが、動いてからではな」
 誠也の妹。もちろん、自分が一方的に敵視していた相手だ、その家族のことなど詳しく知るはずはないが、それでも教室などは同じだったわけだから、他の人間に話しているのが聞こえてきたことくらいはある。確かに、妹の話をしていたような気はするが、それがこの娘なのだろうか。
「了解しました、これより出港準備に入ります」
 もっと詳しく見ようと、上げた視線を戻そうとしたのだが、自分がそんなことを考えている間に、継世は既に目を通し終わったのだろう。そういって敬礼する。
「任せる」
 グレミオの返答を受けて踵を返す継世に、フィールラインは慌てて追従するのだった。


 つづく。
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