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二次創作 アトリエ(1) [二次創作SS]

ユーディーのアトリエのSS

うーん、アンソロとかであまり好きにはなれない、本気でまじめ話を書くになってしまった。


内容知らない人に不親切すぎるのであらすじと人物紹介。

時間を止めるアイテム、竜の砂時計の大量発注を受けたユーディーだが
調合をミスって200年後に飛ばされてしまう。
そこで出会ったたくさんの人たちに助けられながら、
紆余曲折を経て、帰還用の竜の砂時計を完成させる。

ユーディット:主人公、くまさんむにー
ラステル:200年後で親友になった少女、その想いはいつしか
クリスタ:盗賊の頭領の娘、色眼鏡でみなかったユーディットには感謝している
ポスト:学術都市にある図書館の館長、頭脳労働担当

※宿の一室を長期で借りて、アトリエとしています。マイバウムの塔行かないけどご容赦を



全力で百合なので注意



「できたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ついに、過去へと戻るためのアイテム『改良型・竜の砂時計』が完成したのだ。
ここまでたどり着くにはそれはもう、並大抵の苦労ではないことの連続だった。
しかし、今はもうそんな苦労もどうでもよく感じる。
これがあれば、自分の時代へ帰ることが出来るのだから。
「ラステルに見せに行かなきゃ」

「ラステル~~、できたよ『竜の砂時計』!!」
宿の廊下でラステルを見つけたユーディットはそう声をかけると
「え、本当!? みせてみせて」
彼女は、瞳を輝かせてそう言って来る
「じゃじゃーん」
後から取り出された『竜の砂時計』は、一見意匠を凝らした砂時計にしか見えなかったが
ユーディットの喜びようからすると、きちんと問題なく出来ているのだろう。
なんとなくだが、力のようなものを感じる気もした。
「おめでとう、ユーディー」
「うん、ありがとうこれで帰れるよ!!」
満面の笑みでそう言うユーディット。
しかし、その言葉が出た瞬間ラステルの顔が翳ったように見えた。

アトリエに戻ったユーディットは、彼女の気持ちをもっと考えてあげればよかったと後悔していた。
初めて友達になった私はこの時代の人間ではない、いつかは帰らなければならないのだ。
彼女にこんなにもつらい想いをさせるなら、一線引いておくべきだったのかもしれない。
でも、それは違うだろう。
彼女という存在があったからこそ、この時代で私は強くあれた。
守るべき、彼女が……。
「もう一度、話しなくちゃ」

ラステルは隣の部屋のバルコニーで夜空を眺めていた。
「ラステル、さっきはごめん」
「え、ユーディー?」
振り向いたラステルの瞳は、涙に潤んでいた。
「私、ラステルの気持ち考えてなかった。自分が帰れるからって浮かれちゃって」
ラステルはゆっくり首を振って答えた。
「……ううん。私のほうこそごめんね、わらって……見送って……あげなきゃ……いけないのに」
そう言いながらも、瞳からは大粒の涙が澪れ落ちる。
ユーディットはやはり、彼女の笑顔は自分が守ってあげないといけないそう思った、だから……。
「泣かないでラステル」
そう言って、ユーディットはラステルの顔を上げさせると、そっと唇を重ねた。
最初はびっくりしたラステルだったが、すぐに自分も瞳を閉じて答える。
数秒後、ユーディットはゆっくりと離れ、今度はしっかりと抱きしめた。
「ごめんね、ラステルを傷つける方法でしかラステルを守れないよ」

朝の日差しと小鳥の囀りでユーディットは目を覚ました。
ラステルはまだユーディットの腕の中で寝息を立てている。
「……ラステル」
起こさないように小声で、守ってきた少女の名を呼ぶ。
昨夜のコトは、私が帰ったあと余計に彼女を傷つけるだろう。
だけどそれでも、私は帰らなくてはならない。
だから、別れなければならないそのぎりぎりまで彼女と一緒にいよう
そう誓った。



つづく。
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