星瞬きし空の下で 第四話 Iパート [星瞬きし空の下で]
夕食をいつも通り四人で済ませた後、抜け出した椿は敷戸の町を見渡せる高台から高等部の校舎を見つめていた。
「上手くできたとは言えないか」
今日のことは、タイミングが悪かったとしか言いようがない面もある。とはいえ、あの言い方はなかったとも思う。
「隆之さんに任されたんだから、しっかりしないと」
……。
「あんまり、気負うんじゃねえよ」
突然かけられた声の主を探して振り返ると、誠也がそこにいた。戦いの後の椿の様子が気になった誠也は、椿がいなくなったのに気づいて探しに出た。そして白樺家からも遠くないここで見つけたというわけだ。
「霧原さん……、いつからそこに?」
「しっかりしないと、ぐらいだから大して聞こえちゃいないけどな。大体察しはつくさ」
意外に気のつくものだと思いながらも、自分の態度もあからさまで心配かけていたのかもしれない。
「故意に角を立てることはないとしても、責任もって処理してる俺たちが責められる事はないはずだろ」
「それはそうですけど、また今日も突き放すような言い方をしてしまって」
誠也は、それで今日の椿の様子に納得したようだ。言葉を選ぶように少し間をおいて続けた。
「俺もあいつらもできることはするし、一人で気負う必要はないよ」
まぁあの先生だから、また突っかかってくるだろうけどな。誠也は笑ってそう続けた。
「そうですね……。よろしくお願いします」
多少は気が楽になった気がした。なにより、気にかけて探しに来てくれたことは嬉しかったのだから。
「まぁ、帰ろうぜ。あんまり遅くなったら、あいつらも心配するだろうしな」
「はい、誠也さん」
「お、おい椿お前!!」
呼び方を変えてみた、気持ちを表すために。
つづく。
「上手くできたとは言えないか」
今日のことは、タイミングが悪かったとしか言いようがない面もある。とはいえ、あの言い方はなかったとも思う。
「隆之さんに任されたんだから、しっかりしないと」
……。
「あんまり、気負うんじゃねえよ」
突然かけられた声の主を探して振り返ると、誠也がそこにいた。戦いの後の椿の様子が気になった誠也は、椿がいなくなったのに気づいて探しに出た。そして白樺家からも遠くないここで見つけたというわけだ。
「霧原さん……、いつからそこに?」
「しっかりしないと、ぐらいだから大して聞こえちゃいないけどな。大体察しはつくさ」
意外に気のつくものだと思いながらも、自分の態度もあからさまで心配かけていたのかもしれない。
「故意に角を立てることはないとしても、責任もって処理してる俺たちが責められる事はないはずだろ」
「それはそうですけど、また今日も突き放すような言い方をしてしまって」
誠也は、それで今日の椿の様子に納得したようだ。言葉を選ぶように少し間をおいて続けた。
「俺もあいつらもできることはするし、一人で気負う必要はないよ」
まぁあの先生だから、また突っかかってくるだろうけどな。誠也は笑ってそう続けた。
「そうですね……。よろしくお願いします」
多少は気が楽になった気がした。なにより、気にかけて探しに来てくれたことは嬉しかったのだから。
「まぁ、帰ろうぜ。あんまり遅くなったら、あいつらも心配するだろうしな」
「はい、誠也さん」
「お、おい椿お前!!」
呼び方を変えてみた、気持ちを表すために。
つづく。
2011-10-12 11:20
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