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星瞬きし空の下で 第四話 Jパート [星瞬きし空の下で]

「ほう、流石に女相手にはやるものだな」
 この世の何処ともしれぬ深い闇の中、男の声が響く。口調の割には貫禄のようなものはあまりなく、そう年を重ねているというわけではないようではある。
「彼に限ってそんなことは。しかし、あの家に入り込んで取り入ることはできたようです」
 男の問いに答える声は女のようで、否定の中に何か特殊な感情が見え隠れするところを見ると、年のころは桜たちとそう変わらないだろうか。
「そうであっては貴様が困るか」
 実に面白そうに、男は笑う。普通なら反論するところだろうが、黙っているところをみると立場はわきまえているらしい。何もアクションがないことが面白くないようで、男はトーンを戻して続けた。
「まぁいい、監視を怠るなよ」
「承知しています」
 ……。
 それ以上報告することもなかったらしく、女のほうは礼を尽くして退出する。気配が遠くへ去ると、男は再び口を開いた。
「どうせ捨てる駒ならば、最大限役に立ってもらわねばな」
 そういうと、男の気配も消えてゆく。別の気配と入れ替わるように。


 第四話・了
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