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二次創作 ヨーコ(2) [二次創作SS]

>SYSOP
 時は三日ほど遡って、四月第二週の金曜日のことである。

>YOHKO
 週末の放課後、あたしはいつも通り視聴覚室へ向かう。中国グランプリ金曜フリーの結果も気になるところではあるけど、今日は新入生に部活紹介があったから、覗いてもし新入生がいたらここの掟を教えておかないと。その上で、対戦したりするのも一興よね。でも、ウチの無駄に多い部活紹介なんて、……あたしもやったはずだけど記憶にないわ。
「RPGやるような馬鹿野郎は来てないでしょうね!!」
 とりあえず、それを第一声に視聴覚室の扉を勢いよく開けた。皿成あたりがあわてて新入生に隠させるシーンでも見れるかなと思ったけど、つまんないことになにもなかったらしい。まぁ、今となっちゃあディスクだし、投げ捨てても面白くないんだけどね。だけど、部員が群がってるのは確かみたいで、あたしも画面と新入生が見える位置に移動すると、あまりやらないからぱっとタイトルまでは思い出せなかったけど、シミュレーションがプレイされているようだ。
「あー、洋子遅かったわね」
 気づかなかったが、先に来ていたらしいまどかが声をかけてくる。
「誰?」
「新入生よ」
「分かってるわよ!!」
 そんなことを言いあっていると、件の新入生が答えてくれた。
「大塚初音です、よろしく」
「え、ああ、うん。よろしく」
 初音と名乗った新入生が、こっちをみて笑ったその瞬間目が合った。はっきりとは分からなかったけど、その目はなんか含みがあるように感じた。そのことが気になって初音の方を見ているうちに、ゲームの方は大詰めに差し掛かっていた。
「さて、これでお終いですね」
 まだ敵はそれなりに残っているように見えたが、初音がターンエンドすると敵軍は撤退を選択した。その結果に満足したように、初音は立ち上がると部長になった皿成のところに入部届を出すと、荷物を持って視聴覚室を出ていく。そのまま出ていくかと思ったけど、初音は扉の前で振り向くと、口を開いた。
「ああ、洋子先輩、まどか先輩。よろしくお願いしますね」
 そう言って微笑むと、今度こそ本当に出て行った。
「なんで、ここの部員でもないあたしたちに挨拶するのよ……」
 まどかはそんなことを言うけど、そんなことあたしだってわかるわけない。だからこのときは、これ以上気にしないことにしたんだ。


 つづく。

  第一話第三話
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