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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Sパート [星瞬きし宇宙の海で]

「よし、アップデート完了。再起動して立ち上げる」
「了解」
 機体からエスナ他整備班の人間が離れたのを確認してから、和葉は機体を立ち上げる。彼女が準備していたのは、彼女がテストパイロットとして開発時に使用していたバニティセイバーの試作機、それを正式採用型の完成後、和葉に合わせてフルチューンナップした専用機である。ただ。
「どう? 動きに問題は?」
「大丈夫そう、最初は気を付ける」
 いざと言うときのことも多少は考えての行動ゆえに、フルチューンするだけして放置していたというわけではないが、流石に優先順位が高いわけではないので、システム面の適時アップデートなどは、他の機体の諸々の作業の合間に進めていた。加えて実戦での戦闘機動など初めてなので、やはり不安は残るところではあった。
「運用試験班の方は?」
「出られるって返答がさっき」
「了解、出るように伝えて」
 ほぼこの和葉専用機専用格納庫と化している格納庫で、必要な兵装をピックアップしつつ、機体をエアロックへと進める。背後の大扉が閉まり、空気が抜かれて正面の大扉が開く。
「プロトタイプバニティセイバー改・和葉スペシャル、出るわよ!!」


 つづく。
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