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星瞬きし宇宙の海で 第五話 Mパート [星瞬きし宇宙の海で]

「あとは、できるだけ引き付けて足を遅らせられればってとこだけど……」
 もちろん、4艦隊としても桜のことを放置して更なる被害を出すわけにはいかないから、後方の数隻から対空砲火と機動兵器が上がってくる。3艦隊を守るために、その数を出来るだけ増やさなければならないところだが、現時点でも一人で相手をするには中々の数。おまけに桜の機体は、それすらも外してしまっていい、と言える程の度胸はなかった他機と共通のプラズマソードがあるくらいで、実体弾兵装を中心とした構成となっている。景気良く撃ちまくって処理するというのも難しい。
 元々エネルギー系の兵装はフィールドに対して無力という大きすぎる弱点はあるものの、フィールドがない状態で当てられた時のダメージは実体弾のそれとは比較にならないし、機体本体のジェネレーターからエネルギーを供給することにより“弾切れ”で撃てなくなることはまずないという2点は大きなアドバンテージとして存在するために、艦艇はもちろん機動兵器までフィールド標準装備という時代でも生き残ってこれた。
「ぶっつけ本番でアレはやりたくないんだけどなあ……」
 ……ただそれは、通常の機動兵器の間での話。高度霊力利用機である第7艦隊の機動兵器には、そのディスアドバンテージをちょろまかす“術”があった。


 つづく。
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