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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Gパート [星瞬きし宇宙の海で]

「私だってそれは……。でも、他に出来ることがないんだよ」
 そういうと美咲は部屋を出て行く、確かにそれはその通りだった。だが、それでも諦められない。和葉は無駄だと分かっていながらも、エスナに回線をつないだ。
「なに、こっちも整備に狩り出されてて忙しいんだけど!? 何回訊かれたってアレは出せないわよ!!」
 半分キレ気味のエスナに先回りされ、和葉は返すことが出来なかった。そもそも、和葉が頼りたいそれは、機械的に完成していたとしても、乗り手の方の準備が全く整っていない。どうあがいたところで無理なのだ。
「あっちの……。私の機体を出せるようにして」
 和葉と通信しているとは言っても、向こうは修羅場である。指示やらなんやら、こちらとは関係ないことを怒鳴ったりもしていたエスナがそれを聞いて黙った。
「……分かった。そっちに回るわ」
「……お願い」
 美咲の言った今できること。そのための力。


 つづく。
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