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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Hパート [星瞬きし宇宙の海で]

 継世は、ブリッジに上がって出港準備の指揮をとるべきところ、スルーして艦の自室に戻り、もう一度結河の資料、……というよりその写真を食い入るように見つめていた。その顔には、見覚えがあったからだ。
「これだけ集まっていて、アレだけがいないというのは、確かに違和感あったが……」
 正直なところ、彼女が知っている存在だったとしても、継世自身の目的には何か影響があるわけではない。だが、面倒な事態が引き起こされ、巻き込まれる予感はある。それを思って頭を抱えていると、入り口のドアの向こうから、呼び出した晴山の声がした。定型のやり取りをして、彼女を招き入れると開口一番。
「面倒事のおかわりだ。すまんな」
 そう告げた。


 つづく。
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