星瞬きし宇宙の海で 第六話 Kパート

「集結完了しました」
「よし、これより第7艦隊司令部攻略のため、敵警戒監視網内に突入する」
　第7艦隊側を任された石橋は、全艦にそう命令を下す。しかし、しっかりした口調とは裏腹に、その心中は不安が渦巻いていた。

　もちろん、第7艦隊司令部の攻略は、先制攻撃後どのような流れになったとしても予定されていたことで、想定した訓練の回数は五指に入るほどやっている。だが、艦隊を分割して第3艦隊司令部との同時攻略と言う想定での訓練は、流石にほぼやっていない。まぁ、自艦隊の被害や疲労と言った状態に関しては、想定よりもはるかに良いというのはあるが、それで拭いきれるものではない。
　さらに、電撃戦を仕掛ける都合上、陽動を仕掛けて敵艦隊配置の背後を突くと言ったことも、ラッキーで出来る可能性がないわけではないが、意図的には出来ない。そんな状態で、アステロイドに偽装した警戒監視装置、自動防衛システムが多数配置されている中へ突入するのだ、不安を感じるなというのは無理だった。


　つづく。