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星瞬きし宇宙の海で 第五話 Rパート [星瞬きし宇宙の海で]

 艦上面前部主砲と艦橋を撃ち抜かれ、爆発寸前の艦から距離を取りつつ、桜は3艦隊の方へと視線をやる。そこには、今まさに跳躍に入る3艦隊各艦の姿があった。
「行ったかな……」
 なんとか最大限守り切った安堵感があふれてくるが、まだここから夕霧に戻らなければならない。やらせてしまった分の報いを受けさせるべく、攻撃は集中することになる。とりあえず、一度、目の前で起こるであろう爆発に紛れるとして、どういうコースで戻るべきか考えていたときだった。
「合流ポイントの指示……」
 どうやら夕霧の方から来てくれるようだ、そして指示されたポイントであれば、とるべきは最短コースでよさそうだった。

「十和崎機、着艦。全機着艦」
 派手にぶっ放しながら最後まで牽制を続けていた十和崎機の着艦報告が入った。もはや一秒たりとも留まる理由はない。
「固定が終わってない機は耐衝撃姿勢を、副長!!」
「了解、誘導推進開始します!!」

「来た時と同じか……」
 夕霧は跳躍の反応なしに消えた。経世は一人、何とも読めない歩容上で夕霧が消えた空間を見つめていた。


 つづく。
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