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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Aパート [星瞬きし宇宙の海で]

「継世明洋、入ります」
「フィールライン・フォーレル、入ります」
 祖父であり4艦隊司令でもあるグレミオに呼び出されて、乗艦の艦長である継世とともにフィールラインはその執務室を訪れていた。
「来たか、早速だがやってもらいたいことがある」
「「はい」」
 家族の会話もなしにグレミオはすぐ要件に入る。普段なら、それについて思うことがないわけでもないが、今はそれがありがたくもあった。なぜなら、我儘を大目に見てもらっている宿敵・霧原誠也との戦いから実質的に逃げ帰ってきたばかりなのだから。
「アステロイド外輪のこの位置に、敷野学園の実習ステーションがある。そこで実習中の生徒たちを保護してきてもらいたい」
「保護ですか?」
 確かに、3艦隊と7艦隊の司令部はアステロイド帯にあるが、ステーションがあるのはそのどちらとも遠く、およそ戦場にはなりそうもない場所。今の段階で保護する必要性はないように思えた。
「そうだ。想定以上に7艦隊が厄介そうなのでな。今のうちにカードを確保しておきたい」
 そういうと、グレミオは二人に書類を手渡した。


 つづく。
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