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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Eパート [星瞬きし宇宙の海で]

「待機中の一条型3隻にモジュール換装作業始まりました」
「了解」
 もう少し時間があれば保管戦力を運び出す手もあったのにと、ぼやく和葉だったが、そうこう言いながらも、第7艦隊司令部では4艦隊との決戦に備えて急ピッチで準備が進められていた。機動兵器だけは誘導推進が使える夕霧に積めるだけ積むことで先に戻したが、艦艇は4艦隊が3艦隊司令部に狙いを絞っていない限り他は間に合わないだろう、どう考えても戦力が足りなかった。工廠艦に重力波砲モジュールを換装する涙ぐましい努力をしてもだ。
「自動迎撃システム、フィールドシステム、保管艦艇も無人仕様は出すしかないか……」
 そんな和葉を見かねた美咲は、執務室を出ようと立ち上がったのだが。
「美咲、どこへ」
 和葉はそれを呼び止めた。
「やっぱり、私はアレの調整をした方が……」
 覚悟したような表情で美咲はそう言ったが、和葉は首を振った。
「アレを人に向けて撃つわけには……」


 つづく。
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