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星瞬きし宇宙の海で 第六話 Pパート [星瞬きし宇宙の海で]

「第4艦隊、第三次防衛ラインに到達」
 司令部の研究ブロックにある格納庫で、出撃に備えて自分用の機体のコクピットで調整に勤しむ和葉のもとに指揮所からそう連絡が入る。
「完全自動で対処した場合の想定に比べて+7%の遅延ってところね。了解、こちらの本隊の配置については」
「遅延は許容範囲内。第四次ライン到達までに完了予定」
 もちろん、準備さえ整えばというような楽観できる状態ではないが、中途半端な状態で本隊が交戦に突入するようなことになれば、それはもうどうにもならないに近いのだから、それに比べれば、だ。しかし、その分負担がかかっているところがある。和葉は、そこへの通信回線を開いた。
「初音、疲れてない?」
「はい、今のところは問題ないです。口を出すような局面もないので」
「分かった。でも、この後が本番なんだから無理はしないこと」
 傍から聞くと何か違和感を覚える会話をして、通信を切る。そこへエスナがひょっこりと顔を出してコクピット内へ入ってきた。


 つづく。
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